BPMとPDCAの関係は?

BPMとワークフローって何が違うの?と聞かれることがたくさんあります。BPMは日本ではまだbuzzwordの域を出ていないかもしれません。

ある著名な調査会社では

“業務プロセスをオペレーショナル・エクセレンスやビジネスの俊敏性により企業パフォーマンスを直接的に改善する資産として扱う経営手法のこと”

と定義されています。

また、大手Sierでは

“BPMはワークフローにSOAが組み合わさって、人以外の業務プロセスも管理できる”

と説明しています。
cloudが注目されたときも同じように企業から様々な説明があり、結局なんなんだろうという風潮がありました。(今でもあるかもしれませんが、、、)

当社ではシンプルに以下のように考えています。

ワークフロー
・・・業務の手続き、流れ、処理の手順を規定すること
BPM
・・・業務を規定し、分析し、継続的に改善を行なうこと

つまり、イメージにするとこんな感じです。

ソフトウェアに例えると、ワークフローソフトは業務を構築して実行できればいいのです。当然、ITを利用することにより効率化も見込めますし、何より定められた手順で業務を運用することができます。BPMでは、さらにそれらの業務を評価する為の分析機能が実装されていて、改善する為に業務管理者自身が業務を改善できる機能を実装している必要があります。つまり、業務においてPDCAサイクルを実践することができるようなソフトウェアともいえます。

では、業務のPDCAを実践するにはどのようにすればよいのでしょうか。
各段階の具体的なアプローチとBP Directorの特長をご紹介します。

1.業務の計画 PLAN

業務の計画では、まず対象業務をビジュアル化して整理する必要があります。BPMではBPMN(Business Process Modeling Notation)という業務の流れを記述する表記方法があります。業務の流れをBPMNというルールに基づいて表記することにより、直感的に業務を理解することが可能ですが、記述する人、業務を管理監督する人がBPMNの表記方法を習得しなければなりません。本来の多忙な業務がある中で、関係者全員がこの表記方法を理解習得することは果たして可能でしょうか?

BP DirectorではBPMNを習得することなくブラウザベースで直感的に業務を組み立てることが可能です。それにより、計画をして業務を組み立てる人、業務を管理監督する人双方が、業務内容を直感的に理解することが可能です。
業務をワークフローやタイムラインでビジュアル化し、業務担当をグループや人に割り当てる、コンピュータで判断できる業務はコンピュータに割り当てる、利用者が利用できるフォームを作成する、この4つだけで業務を組み立て実行する準備が整います。
また、BP Directorは、人から人へと業務が流れていくワークフローと業務が並行に実行され時間軸で業務を行うタイムラインという2つの業務実行形式を備えています。そのため、ワークフローだけでは管理しにくい複数部門による並列の業務にも柔軟に対応できます。

2.業務の実行 DO

計画した業務を実行に移します。業務実行段階では管理監督者だけではなく、様々なプレーヤーが出現します。業務を計画することにより業務の流れは既にできているはずです。しかし、それを実行させることは簡単ではありません。
文書で業務の計画をたて手順書などで業務を実行する場合、十分なトレーニング、情報共有が的確に行われなければトレーニングを対象者全員に実施する必要があります。

また、属人化してしまう恐れもあり、計画通りに業務が実行されないリスクも存在します。例えば、属人化してしまった業務でタスクの担当者が休んでしまうと、業務は止まってしまいます。そこでITの力を借りることにより、ユーザトレーニングを効率的に最小限で行い、定められた業務フローで実行することを確実なものにします。

BP Directorは機能や性能といった“ユーティリティ”のみならず、使いやすさ、わかりやすさといった“ユーザビリティ”の高い製品です。例えば、業務を実行するユーザはWindowsやMacといった様々なプラットフォームやAndoroid、iOSといったモバイル端末など、業務形態によって様々なITを利用しています。従って、業務を遅延なく効率的に実行するには利用端末に縛られることなく利用できること、さらにWebブラウザやeメールといった普段利用しているソフトウェアで動作することが重要となります。

さらに、BP Directorはeフォームという電子帳票を利用することが可能です。eフォームでは、様々な入力フォームはもちろんのこと、ユーザの操作に応じて表示内容を変更するなど、eフォームを利用して業務をナビゲートすることが可能です。ユーザの業務内容が多様化している現在、ユーザトレーニングですべての業務を教育していくことは、トレーナー、トレーニー双方に大きな負担となります。

つまり、

  1. 自分が行うべきタスクをメールやWebから知ることができる
  2. タスクはユーザが意識しなくても正しい形にナビゲートができる
  3. ユーザトレーニングを効率的に実施できる

この3つを実現できるITを利用することで業務が正しい流れで進み、計画した業務を確実に実行することが可能になります。

3.業務の分析 Check

業務の計画、実行については数多くのワークフローやグループウェアで既に多くの企業が実行しています。しかしPDCAサイクルをまわす、BPM(Business Process Management)を推進していくためには、実際に実行された業務を様々な形で分析する必要があります。また、現在の企業を取り巻く環境を考えると、年次、半期といったサイクルではなく、特定の情報を確認したい時、何か問題が起きたときなど、業務管理者が必要な時に必要な分析結果を入手できる必要があります。

BP Directorではあらかじめ分析する内容を設定することで、リアルタイムに業務状況を分析することができます。設定はすべてWebブラウザから実行することができるため、追加で必要な情報があってもすぐに設定を加えて分析することが可能です。さらにeフォームに入力した内容もあわせて分析することが可能です。例えば、営業活動報告の業務フローを構築した場合には、部署毎、担当者毎の訪問件数、問い合わせからの対応時間などの分析だけではなく、eフォームに入力された売り上げ見込み金額などを連動させて分析を行うことができます。そのため、売り上げに対する業務効率などを分析することが可能となり、タスクが集中している担当者にはフォローをつける、全体的に業務量が多い部署には新たに人材を補充するといった、状況に応じて必要な対策をうつための判断材料となる情報を提供することが可能です。

BP Directorは、業務の実行時間、個別タスクの処理時間、ユーザ毎の業務状況のみならず、eフォームに入力された内容と連動させて分析するなど、高度な分析を実現します。

4.業務の改善 Act

十分時間をかけて計画を立てたとしても、実際の業務が計画通りに進むことは少ないのではないでしょうか。体制変更、人員削減、業務の多様化など、企業経営にスピードが求められている現在、これまで考えられなかったタイミングで変化がおこります。その時、これまでの業務を改善できなければ、その負担は担当者に重くのしかかり、効率の低下や、様々なリスクが顕著化します。つまり、計画した業務を必要な時に分析して直ちに改善を行うことにより、様々なリスクを軽減する必要があるわけです。

BP Directorは業務改善に必要な2つの重要なテーマをもとに開発されています。

1つは、現場手動で業務改善が行えること。ITを利用して業務を実行する場合、得てして改善するためには高度なITスキルを持った人しか対応できない、改善するたびに開発元の外部業者で費用が発生する、といったことがあります。承認ルートをかえるだけ、業務想定時間を短くするだけ、あるタスクの終了時にメールで通知するだけといったちょっとした変更の場合でも同様です。そこで、BP Directorが重要と考えているテーマの一つが、現場主導で改善が行えることです。Webブラウザベースで簡単に業務フローを変更することができるため、業務を一番よく知っている現場担当者、管理者が業務を改善することを可能とします。

2つ目に、ビジュアル的に業務の状況をとらえることができること。分析結果は様々なグラフやデータとして抽出することが可能です。さらに、タイムラインベースの業務を構築した場合、ガントチャート(Gantt chart)形式で、計画、実際の実行時間、期間を分析することができるため、どの業務に時間がかかっているか、計画では3日目に始まる業務がいつ始まっているかなど、視覚的にとらえることが可能です。まさに業務の“見える化”です。
BP Directorでは現場主導で業務改善を行うことができ、ビジュアル的にとらえることができるため、直ちに改善に移すことを可能にしています。

このように業務のPDCAサイクルをまわし、継続的な改善を行っていくためには、現場のメンバーをはじめとする全員にとって使いやすく、かつ、ビジネスプロセスの柔軟な管理や高度な分析が可能なBPMソリューションを検討することが大切です。